ニュータウンに未来はあるのか
新しい仕事が本格的に始まって
ほぼ1ヶ月になります。
私が担当している地区は、神戸市営地下鉄の
西神・山手線(せいしんやまてせん)終着駅
「西神中央」(せいしんちゅうおう)から
バスで10分ほどの所にあります。
区画整理された広い道をはさんで
車庫付き2階建ての一軒家が
ズラズラズラ〜ッと並んでいる
いわゆる「ニュータウン」の1つです。
どこを向いても似たような景色で
自分の現在地が分からな〜い(笑)
地図を見たときに「〜〜台」や「〜〜が丘」が
ついてる一帯は造成地だと思ってよさそうです。
山を削って、台地にしてるわけ。
だから微妙な起伏もあります。
端から端までくまなく歩いてみて
ようやく頭の中に地図が入ってきました。
「このお客さんは、だいたいこのあたり」
というのも、大まかに分かってきました。
街が整備されたのが、だいたい35年ほど前。
駅まで少し距離があるため、
車での移動が基本になります。
2台分の駐車スペースがある家が多く
今年の6月まで働いていた仕事での
販売地区とのギャップにクラクラします。
ちなみに以前担当していた地区は
JR新長田駅とJR兵庫駅の間あたり。
新長田駅の周辺は、震災後の大開発で
高層ビル・高層マンションが目立ちますが
駅から離れると、自転車がギリギリ通れるくらいの
せま〜い路地に長屋や文化住宅が建ち並ぶ
昔ながらの町並みが残っています。
そこに住んでるのは、主に70〜80代の
おじいちゃん・おばあちゃん世代です。
ほとんどが一人住まいで、年金生活。
偶数月の15日(年金支給日)をよりどころに
暮らしている方も少なくありませんでした。
月末に集金したくても
「来月の15日以降にして〜」と
お願いされる事もしばしば。
消費税が10%に上がったら、あの人たち大丈夫かしら。
食料品は8%のままとは言っても
電気代・ガス代・水道代は値上がりするわけです。
キツイよねぇ。
必需品でないもの、嗜好品は真っ先に
数を減らすか、全部やめようって考えるよ。
やっぱりどう考えても
日本経済に悪影響しかなくない? 消費税。
話を戻そう。なんだっけな、
あ、そうそう。ニュータウンの話。
出来た当時は、今と違って景気のいい時代だから
例えば35年ローンを組んで一戸建てを買った人は
そろそろ支払いが終わってる頃だろうと思う。
20代で買った人は今、定年前後。
30代〜40代で買った人は、後期高齢者予備軍。
その子ども世代は、ほぼ別世帯になってる。
路地&長屋の町と、広い道&一戸建ての街。
住んでる人の暮らしぶりは違う部分もある一方で
どちらにも共通してるのが、ズバリ「高齢化」。
そして空き家や空き地が目立つことです。
歩いていると、明らかに空き家と分かる家や
空き地になって草が生えている区画があります。
あるお客さんの隣の土地も、数年前に取り壊したらしく
雑草のあいだを風が通り抜けてさびしい感じでした。
10年後、20年後。
どうなってるのかな、この「ニュータウン」は。
そんな心配をしてしまいます。
来週末、新長田に「すまいるネット」が移転してきます。
神戸市の「すまいとまちの安心支援センター」。
www.smilenet.kobe-sumai-machi.or.jp
市も、危機感を持っているんですね・・・
空き家の解体費用の補助とか
新婚さんやひとり親世帯向けの家賃補助とか
リノベーション住宅の取得補助とか
なんか色々とやってはいる。
やってはいるけど、足りない気がする。
肝心なのは、その土地に住み始めた「あと」の話。
住む場所だけ決まってもダメなんですよ。
そこでどんな暮らしができるか。
支援するってそういうことなんじゃないかな。
担当地区の校区には、小学校も中学校もあります。
でも、保育所がないんです。母親が働けないんです。
「世帯主の父・専業主婦の母・子ども2人」という
35年前のモデルは、今の暮らし方には合ってない。
住まいをどうこうするより前に
街の未来への投資、つまり
子どもへの投資が必要じゃないでしょうか。
みなさんはどう思いますか。