「嫁」をやめたので、稼ぎます。

嫁をやめたら、世帯主。子どもと二人三脚の日々。

シングルママの住まい問題

母子家庭向けの居住支援をされている
NPO法人リトルワンズ」代表の小山さんが昨日、
東京から神戸まで講演に来てくださいました。

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東京から小山氏をお迎えしました

企業・行政と連携して空き家をリノベーションし、
母子家庭の居住支援をするというスタイルが評価され
2018年に「World Habitat Award」最優秀賞を受賞されている小山さん。

www.npolittleones.com

講演会では、シングルママが住まいを借りる際の困難の他
オーナー側の事情など裏側のお話も色々と聞く事ができました。

シングルママが不動産屋さんに行くと煙たがられる理由。

  • 収入が不安定(離婚時に正社員の人はほんの一部)
  • 保証人がいない(実家の親に収入があるとは限らない)
  • 子どもが一人で留守番になりがち
  • 乳幼児の場合、夜泣きで近隣の迷惑になる
  • 精神障害を持っている可能性(鬱など)
  • 男性が出入りする可能性(こじれて警察沙汰など)

などなど、オーナーさんにとっては
「貸したくない」部類の人なんですね、私たちって。

でもね!

「衣食住」の中で、自分一人だけじゃ
どうしようもできないのが「住」なんです。

住むところがないと、仕事にも行けない。
今まで住んでいた家を出ることになれば
まずは次に住む場所を探しますよね。

実家に頼れる人はいいけど、
私みたいにDVが原因だと
実家は逆に一番怖い場所になります。

元夫がいつ怒鳴り込んでくるか分からない。
子どもを連れ去りにくることだって考えられる。
とても安心して暮らせません。

警察では「何かあったらすぐ110番するように」と
携帯電話の番号を登録してもらいましたが
正直なところ「何かあってから」では遅い。

だから今も、住所を隠して暮らしています。
住民基本台帳事務における支援措置」といいます。

  • 住民基本台帳の閲覧
  • 住民票の写し等の交付
  • 戸籍の附票の写しの交付

これらが、本人だけに制限されます。
就職などで住民票を発行したい時など
手続きをした役所でしか出来ないので
若干面倒なんですが、命を守るためです。

先日、支援措置を受けている女性の住所を
役所の職員が「電話で」夫に教えてしまうという
世にも恐ろしいことが起こってしまいました。

news.tv-asahi.co.jp

おいおいおい・・・
市民の命がかかってるの、分かってます?
引越した先から、また引越して、さらに転職して、
その人の人生を左右してるの、分かってます?

「シングルやDV被害者」のための
役所の人向けの講習を徹底してほしいです。
せめて、支援措置を受けている人に関する対応は
対面・電話に関わらず、専門知識のある人がやってほしい!

と、話が若干それましたが。

家を出てすぐに住む場所が見つかるか・・・
というと、当然、そんなことはなくて。

私は家具家電付きのワンルームを借りるまで
9日間、ホテルや民宿を転々としました。

仕事があったため、シェルターには入りませんでした。
携帯電話もパソコンも、通信できる物は全て没収!
と、駆け込んだ警察で聞いていたので。

これ、ある程度の貯蓄があったからできることです。
乳児と一緒だったり、経済的DVを受けていたりで
自由に使えるお金がない場合は、即シェルターへ。
まずは身の安全を確保することが大事です。

自分の布団でゆっくりと寝られることって、
本当に本当に幸せなことなんだって
住む場所を失って初めて知りました。

土曜日の晩に家を出た私と5歳の息子。
まずは駅前のホテルで2泊。
初めてのビジネスホテル&ベッドに、
やたらとはしゃぐ5歳児・・・
夕飯がコンビニパスタでも大喜び。
母は今後のことで頭がいっぱいで眠れず。

日曜日、お世話になってる不動産屋さんへ。
その足で平日に安く泊まれる民宿も探しました。

月曜の朝、夫が出勤した後を見計らって
(もし家にいたらと思うと怖くてドキドキでした)
仕事の制服と子どもの保育所の荷物とパソコンと
着替えやらお気に入りのおもちゃやら
持てるだけの物を車に積んで出勤しました。

自分名義の車がなかったらどうなってたか分かりません。
レンタカーで運んだかな?

仕事が終わってから、レオパレスの窓口へ。
なんとなんと、不動産屋さんが一緒に着いてきて下さって♪
(出張料相当額を受け取って頂きました)
これ、ものすごい心強かったです。改めてお礼を言いたい♪♪

何件か内覧させてもらって、
職場と保育所に無理なく通える所に決めました。
とにかくすぐにでも入居したかった。
それでも鍵の引き渡しまで1週間かかります。
事務手続きとか、クリーニングとかね。

そのあとは、1泊3000円くらいの民宿に5泊。
洗濯機が使えるのが有難すぎる!
ハンガーとかピンチも自由に使ってね〜と
民宿のオーナーさん。ほんまに有難い。
週末は空いてなかったので、再びホテルで2泊。
私1人ならネットカフェ使ってたと思います。

ホテルではWi-Fiが使えたので、
離婚調停について調べまくる!
法テラスのこと、弁護士のこと、家庭裁判所のこと、
養育費の相場、離婚が成立するまでの婚費分担のこと、
年金分割のこと、などなどなどなどなど。

日中は、寝具と調理器具を調達。
鍋やら包丁やら買っても、しばらくは
料理どころじゃなく、お惣菜でしたが・・・
保育所のお昼が給食で助かりました。

アパートには家具家電一式がついてたので
(冷蔵庫、電子レンジ、IH調理台、洗濯機、照明器具、
 エアコン、テレビ、ネット環境、テーブル、カーテン)
身の回りのものだけ用意すればOKでした。

普通の賃貸だったら最低限、冷蔵庫と洗濯機と照明は
買うか譲ってもらうかしないといけません。
冬場なら暖房器具もいるよね。
夏も扇風機じゃ厳しい。エアコンないと死んじゃう。
さすがにそんなの全部一気に買えない!

とにもかくにも、私の場合、
ある程度の収入があったことで
すんなり契約できました。
マンスリーマンションだからか、
保証人は必要なかった記憶があります。
収入がなかったり低すぎたりすると
やっぱり厳しいと思われます。

「住」って漢字は、にんべんに「主」って書くでしょ。
つまり住まいを契約する人は「世帯主」なんです。

アパートを借りた時から、私は世帯主になりました。
まだ離婚は成立してなかったけどね。

その後、4回の調停を経て、わずかな養育費と
解決金(慰謝料ではないところがミソ)を勝ち取りました。
そのあたりの話は、また後日。

そんなこんなで、ひとまずは住居を確保した私たちですが
当時、息子は保育園の年長組で、翌年の4月から小学生。
さすがにワンルームでは狭いと思い、
調停中でしたが、年明けに引越を決意しました。
幸いな事に、たいして荷物はなかったので
引越業者に頼む必要もなく、自分で運べます。

そしてもひとつ幸いな事に、
結婚したばかりの弟から嬉しい提案がありました。
一人暮らしをしていた彼女が使ってた家電を
まるっと譲ってくれることになったんです♪

そりゃぁ〜もう、めちゃくちゃ有難かった!
冷蔵庫と電子レンジとトースターと洗濯機。
ついでに、実家で余ってたガスファンヒーターも
まとめて引越先に送ってもらいました。
ツイてるな〜、私♪

ちょっと広い部屋に引越してから
なんとなく気持ち的にも余裕が出来て
(狭い所に2人でいるとイライラします!)
調停も終えて、まずは一安心。

その後、もう1回引越するのですが
住む場所というのは暮らしの基本。
生活スタイルさえ変えてしまいます。

講演をしてくださったリトルワンズの小山さんは、
住宅支援の他にも就労支援や子どものケアなど
母子家庭が貧困から抜け出す為の活動をされていて
それは決して儲かる事業ではなく、ただただ
幸せな親子を増やしたいという気持ちからです。
本当に頭が下がります。

最近増えて来たシェアハウスでも
トラブルが起きる事があるそうです。

隣の部屋の赤ちゃんの夜泣きがうるさいとか
(自分も赤ちゃんがいるにも関わらず)

自分の子どもと遊んでくれないとか
(住民はベビーシッターじゃない!)

結婚するから子どもをよろしくとか
(子ども連れていきなさいってば!怒)

中には非常識な人もいるようですが
シングルママの多くは、
子どものために必死に働いて生きてます。

だからせめて、住むところに困らない国にしてほしい。
小山さんが行政に働きかける意義は、大きいです。