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有園博子先生を想う 〜DV被害者支援〜

8月11日の「フラワーデモ」にて
ひょうごコミュニティ財団の方から
「有園博子基金」に関するお話がありました。

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故 有園博子先生

有園先生と初めてお会いしたのは、2年前の夏。
(上の写真を見てるだけで涙が出てきます・・・)

あすてっぷこうべで開催された
「DV被害を受けた母子のための連続講座」
これを主催されていたのが、有園先生でした。

有園先生は、臨床心理士精神保健福祉士として
「DV被害者」「虐待を受けたこども」
「性暴力の被害者」
JR福知山線脱線事故のご遺族」の支援に
永年尽力されていましたが、
2017年末、57歳の若さで亡くなりました。

老後資金に貯めていた遺産を
被害者支援に役立ててほしいと設立されたのが
「有園博子基金」です。
第1回は8つの団体が採択されました。
有園博子基金採択結果 | 公益財団法人ひょうごコミュニティ財団


基金が設立された際の神戸新聞の記事をリンクしておきます。

www.kobe-np.co.jp


私たちが受けた有園先生の講座は、
夏休みの期間を利用した全8回の連続講座でした。
受講者は全員、夫からDVを受けて
子どもと一緒に避難している女性です。

「DV」って一言で言うけど、単純じゃありません。

・身体的暴力
 (殴る・蹴る・突き飛ばす・髪を引っ張る)
・経済的暴力
 (生活費を渡さない・給与明細を見せない・浪費・借金)
・精神的暴力
 (物を投げたり、殺すぞ!と威嚇・罵る・侮辱・責任転嫁)
・性的暴力
 (SEXを強要する・避妊を拒否する・暴力的な性行為)

これらはほんの一部ですが、すべて
力や言葉などでパートナーを「支配」し
「コントロール」しようとする行為。

DVは「犯罪」です。

最近では、高校生同士の「デートDV」も問題になっています。

マンガ家の西原理恵子さんが、デートDV防止のための
啓蒙キャンペーン動画に出演されてますのでご覧下さい。

内閣府共通ストリーミングシステム - 内閣府(1)

内閣府共通ストリーミングシステム - 内閣府(2)

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西原理恵子さん啓蒙メッセージ


2つめの動画に出てくる
「殴らなくても暴力」という言葉。
とても説得力があります。

有園先生の講座では、
「アンガー・コントロール」の手法を学びながら
親と子、それぞれが別々のプログラムで
自分の「怒りの温度計」を下げる練習をしました。

自分がイライラ・怒りを感じたとき
相手を傷つけずに解決するには?
暴力の連鎖を断ち切るには?

また、子供が家の中の暴力を目の当たりにした時
どんな風に感じるのか。
様々な可能性も教えていただきました。

講座の中で繰り返し使われたのが
「安心・安全」という言葉です。

最初のうち、私はこの言葉が
いまいちピンとこなくて
何が「安心・安全」なのか、分からなかった。

それまで全然「安心」じゃなかったし
どこも「安全」じゃなかったから
どういう状態が「安心・安全」なのか
想像が出来なかったんです。

加害者から距離を置いて、隠れて暮らしていても
やはり完全には「安心・安全」ではないと感じます。
街でばったり鉢合わせたらどうしよう、とか
住所がバレて、玄関先まで来られたらどうしよう、とか
調停を終えて2年半経った今でも思います。

でも、あの時、有園先生の講座を受けてなかったら
自分の気持ちを俯瞰する方法も知らないし
子供の感情の受け止め方も知らない、
毎日イライラしながら生きていたかと思うと
ゾッとします。

と同時に、今も気持ちの整理がつかなくて
理由も分からずイライラ・モヤモヤしている
お母さんたちが、大勢いるんだろうな、と思います。

講座終了後、フォローアップのための面接が
何度か予定されていたのですが、
私が受けたのは終了後1ヶ月の面接だけでした。
その数ヶ月後、有園先生が亡くなったと知り
膝から崩れ落ちそうになりました。

おそらく、ご自身の治療はそっちのけで
支援活動をされていたんだろうなと思います。

改めて、有園先生のご冥福をお祈りします。

あなたの周りでもし
DV被害に合っている人がいたら
勇気を出して専門機関に助けを求めてください。

兵庫県内なら、私もお世話になっている
「ウィメンズネット・こうべ」があります。

wn-kobe.or.jp
他にも、全国にDV被害者を支援する団体があります。

配偶者暴力相談支援センターの機能を果たす施設一覧
http://www.gender.go.jp/e-vaw/soudankikan/pdf/center.pdf

警察の生活安全課(交番ではなく、警察署)に行くと
女性の警察官が対応してくれる場合もあります。

全国女性シェルターネットのサイトが、現在、
工事中になっていますが、一応リンクしておきます。
「DV危険度のチェック」が出来るページがありました。
そのうち再開してほしいです。

全国女性シェルターネット


DVにしても、性暴力にしても、虐待にしても
相手の立場が上である以上、逆らうことは難しい。
それが分かっているから、エスカレートする。

全部「弱いものいじめ」です。

いじめちゃダメって分かってるはずの大人が
女性やこども、声を出せない男性に向かって
暴力をふるう社会では、誰も幸せになれない。

未来の大人である、子どもたちを守るためにも
変えていかなければいけません。