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「CARE」ワークショップに行ってきました(1)

子どもと大人の絆を深めるプログラム
「CARE」のワークショップに行ってきました。
 

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CARE 子どもと大人の絆を深めるプログラム

 

「CARE」は、子どもと大人の関係を強めて
よりよいものにしようという目的のもと
アメリカのシンシナティ子ども病院の
トラウマ治療研究センターで開発された
大人のための心理教育プログラムです。

 

C:Child(子ども)

A:Adult(大人)

R:Relationshop(関係)

E:Enhancement(強める)

 

頭文字を取って、CARE(ケア)。

親だけでなく、子どもと接する専門家や
子どもに関わる大人すべてが対象で

2歳頃から、児童期〜思春期までの子どもとの
関係を築く際に大切なコミュニケーションについて
ロールプレイを用いながら体験的に学んでいきます。

今日は、そのワークショップの1回目でした。

CAREでは、主に「遊びの場面」を通して
大切なスキルをどう使うのかを学びます。

なぜ遊びかというと。

遊びは、楽しいだけでなく
大人と子どもが同じ視線になれたり
気持ちを素直に出すことができます。
また、厳格なルールがないことから
指示を出す必要がなくなります。

子どもは、遊びを通して
自分の周りの世界を探索し、理解し
たくさんの事を学んでいくわけです。

大切なのは「子どもが遊びをリードする」こと。
大人が主導権を握ってしまっては
子どもは楽しくありません。

毎日3〜5分の遊びで
子どもとの絆を深めるために用いるのが
6つの「CAREスキル」。

3つの「減らしたいスキル」と
3つの「使いたいスキル」です。

ワークショップでは、まず講師のお二人が
モデルケースとしてロールプレイで演じました。

 

〜CAREスキルを使ったロールプレイ〜

<減らしたい3つのスキル>

母親と子どもが、おままごとで遊んでいます。
まず「減らしたいスキル」を母親が使うと
子どもは心から楽しむことができませんでした。

そのスキルとは「命令」「質問」「禁止」の3つ。

母親がこれらを使う事で、子どもは
「自分の好きなように遊べない」という
気持ちが募り、不満が大きくなります。

1つ1つ、紹介していきますね。

 

1.「命令」

「命令」にも2種類あって
直接的な命令(Stand up, Sit Down など)と
間接的な命令(Let’s〜, Shall など)があります。

後者はいわゆる「提案」です。
母親はどうしても、子どもに対して
「こうしたらどう?」
「こっちの方がいいんじゃない?」
と、提案をしてしまいますが

それは暗に「自分の指示に従いなさい」と
言っているのと同じ事なんですね。

そして、子どもがそれに従わないと
お互いにイヤな気持ちになってしまいます。

大人は自分の中であらかじめ正解を用意していて
それを子どもに押し付けているわけです。
それでは、子どもは楽しくありません。

 

2.「質問」

次に減らしたいスキルは「質問」。

質問は答えを求めるので、
大人が会話をリードすることになります。

また、しばしば隠れた命令や提案が
含まれていることがあります。

例えば、アヒルのおもちゃで遊んでいる子どもに
「アヒルはどんな風になくんだっけ?」と質問する。
これは、親が想定するアヒルの泣き声(答え)を
子どもに求めているわけですね。

犬を紫色に塗ろうとする子どもに
「紫色に塗るの〜?」と聞く。
それを聞いた子どもは、否定されたように感じます。

 

3.「禁止」

最後に減らしたいスキルは「禁止」です。

「ダメ」「ちがう」「いけない」「やめて」など
子どもの行動に「NO」を示す言葉を使わない。

これは、優しい口調の「批判」も含まれます。

「泣かないの」

「そんな顔しないの」

「椅子の上に立たないで」

こういった禁止や批判によって
不愉快な相互作用が生じてしまい、
たとえ優しく言ったとしても
こどもの自尊心を下げてしまいます。

否定的な言葉で問題が改善することはなく
むしろ増えてしまう事があり、逆効果なのです。
使いすぎると、ここぞという時に
無視されてしまうかもしれません。

「命令」「質問」「禁止」

これが「減らしたい3つのスキル」です。

 

<使いたい3つのスキル>

講師のお二人のロールプレイは
「使いたいスキル」バージョンもありました。

「繰り返す」「実況中継」「具体的にほめる」

親がこの3つのスキルを使いながら遊ぶと
子どもは自分が肯定されていると感じ
遊びが楽しくなります。

 

1.「繰り返す」

子どもの適切な言葉を、オウム返しします。
よくない言葉は繰り返さないのがポイントです。
 

子ども「おうちを描いたよ」

おとな「ほんとだ、大きなおうちを描いたね」

 

子ども「きしゃぽっぽ、びゅーん」

おとな「電車は早く走るんだね」

 

子ども「牛さん、モー」

おとな「そうだね、牛さんはモーって鳴くね」

 

繰り返すことで、子どもを会話の主役にし
子どもが会話をリードすることにつながります。
また、子どもの話す力と会話を上達させ
大人との会話の量も増えます。

もっと年齢の高い子どもには
日常会話で「繰り返し」を使います。

子ども「宿題が多くて疲れたよ」

おとな「そっか、今日は疲れたね」

 

子ども「あの映画観たいなぁ」

おとな「あぁ、あの映画が観たいんだね」

 

子ども「今日の部活、きつかった〜」

おとな「そうだったの、いつもより大変だったのね」

特に思春期のこどもには、繰り返すというよりも
「そうなんだ」「なるほど」など
あなたの話に耳を傾けているよ、ということを
伝えるのが大切です。
 

2.「実況中継」

子どもの適切な行動を、そのまま言葉にします。

 

「きちんと靴をそろえたね」

「クレヨンを箱にしまってます」

「ミニカーを走らせてます」

 

子どもの行動を言葉にすると、
子どもが主役になり、子どものリードを促します。

これは、話し方の手本を示し、言葉や概念を
教えることにもなります。
また、子どもの考えを整理する手助けにもなります。

ただし、思春期の子どもに対しては
少し控えめの方がいいかもしれません。
関心を持っているよ、というメッセージを
伝えるようにします。

 

「部屋をきれいに片付けているね」

「クッキーを焼いてるんだね」

「静かに座っているね」

全て、否定ではなく肯定しています。

 

3.「具体的にほめる」

子どもの適切な行動を、子どもに分かるように伝えます。
ただ「すごい」と言うのではなく、大人が何をよいと
思ったかを、より明確にするのがポイントです。

 

「おもちゃを片付けられて、えらいね」

「きちんと挨拶ができて、感心だね」

「静かに座っていてくれてありがとう」

「順番に並べるの、いいアイデアだね」

「1から10まで上手に数えられたね」

 

具体的にほめることで、罰や脅かしよりも
行動を変えさせるのに効果があります。
なにより、大人も子どもも嬉しい気持ちになり
関係もより温かなものになります。

思春期の子どもに対しては
「ありがとう」「嬉しかった」「助かった」など
賞賛や感謝の気持ちを伝えるようにします。

 

「もう宿題を終わらせたなんて、すごい!」

「最後まで投げ出さずに、よくがんばったね」

「気持ちを説明してくれて嬉しかったよ」

大人が注目してくれているということが伝わることで
子どもは満足し、大人を信頼するようになります。

 

<まとめ>

「CARE」は、大人の子どもへの関わりを
よりよくするためのシンプルな方法です。

「命令」「質問」「禁止」
この3つを使わない。そして、
「繰り返す」「実況中継」「具体的にほめる」
この3つを、より多く使う。

2週間後の、2回目のワークショップに向けて
子どもにCAREのスキルを使ってみようと思います。
どんな風に変わるか、ワクワクです。

「CARE」に興味のある方はこちらのリンクをご覧下さい。

www.care-japan.org